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タイプの哲学


行動誘因の問題は、実在動機の問題と密接に関連する。これは、より深く、より抽象的なカテゴリーである。私(※グレンコ)は直観的な論理型の代表として、この記事の結論で答えたいと思う。各タイプには独自の実存的な見解がある。これは、他の人々と世界全体を導く原動力となる、哲学的に指向された汎用概念である。この特定の解釈から、物質と観念の優位性に関する問題を解決するために、タイプが選択する方法を理解する。動機が主に物質的な性質のものであるタイプは、条件的に「唯物(物質)主義者」と呼ばれる。すべての感覚型はこのカテゴリに分類される。これと対立するタイプ群は、内的な動機が本質的に観念的なものであり、「観念主義者」と呼ばれる。このグループは、すべての直観的なタイプで構成される。

哲学の分野で知られているように、観念主義は2つの学派に分けられる。客観的観念主義は神のイデア-世界を支配する外部の究極的実在をある形、または像で認識する。主観的観念主義は、世界に対する我々の観念が、それを生み出すと見なす。

ユングによれば、外向型は客観指向であり、内向型は主観指向である。したがって、客観的観念主義は外向・直観型の哲学であり、主観的観念主義は内向・直観型の哲学となる。同様に、これは「唯物主義」である感覚型のグループにも適用できる。つまり、内向・感覚型は主観的唯物主義であり、外向・感覚型は客観的唯物主義である。ここでは、様々な哲学的思考法がやや大まかに扱われるが、私はこれを1つの目的、つまり16タイプの行動の動機に関する、既存の観察結果を体系化するために行っている。
注:ここで説明していることは、特定の個人ではなく、タイプの動機に関するものである。様々なタイプの代表者が、あらゆる哲学を内包することができる。

以下は各タイプの分析となる。

客観的観念主義(ENxx)


指導者(EIE):神、運命、宿命が世界を支配する。このタイプは、神秘主義と宗教を最も重視するタイプの1つであり、自身のメシア時代を心から信じ、自分を宇宙的または神的な力の宣教師と見なす。

発明家(ILE):万物は普遍的な知性によって支配される。このタイプは、他のどのタイプよりも、客観的な世界の知的設計において、最も複雑な現象を理解する人間の精神が持つ能力を信じている。これは論理の正確な法則の観点から説明できる(「神はサイコロを振らない」-アインシュタイン)。

心理学者(IEE):世界は個人よりも強大な感情によって支配される。最も利他的なタイプの1つであり、見返りを求めず人々を支援できる。このタイプには、強い共感性の傾向がある。

起業家(LIE):生物は万物の創造主である。このタイプは自然を活気づけ、それ自体が二元論に相当する。つまり、物質と観念的な起源が自然界で結びつく度合を、平等に認識する。

主観的観念主義(INxx)


分析家(LII):世界は思考によって支配される(「我思う、ゆえに我あり」-デカルト)。社会を支配する体系化された法を人々が理解するようになれば、社会は公正に構築される。すべてのタイプの中で最も建設的であり、すべての現象は普遍的な要素(元型、形相、アプリオリ)および、それらの間の繋がりによって定義できると考える。

批評家(ILI):世界は偶然によって支配される。客観的な基準は存在しない。すべては相対的なものであり、蓋然性によって定められる。このタイプは、最も不可知論(「私は自分が何も知らないことだけを知っている」-ソクラテス)に傾倒する。瞑想によって到達し得る完全な内的明晰性と安定に至った場合にのみ、知とは可能なものである。

詩人(IEI):世界は精神状態、気分によって支配される。このタイプは、最も順応性の高い精神を持つ。自身の内的性質に強く影響される。このため、粘り強い人物であれば、どんな問題でもこのタイプを説得することは非常に容易い。しかし、同じくらい容易く、課された考えを破棄する。

人道主義者(EII):世界は優しさによって支配される。言葉や感情が行動として実現されなくても、慈悲を最も抱きやすいタイプ。このタイプは優しさと公平性について理想主義的な見解を持ち、誰もが日常生活でこれらの概念を順守すれば、人道主義的な社会の発展に繋がることになる。しかし、これらは外部から押し付けられるのではなく、個人の心の奥深くから生じたものでなければならない。

客観的唯物主義(ESxx)


元帥(SLE):世界はパワーと強さによって支配される。すべてのタイプの中で最も意志が強い。戦力において有利であるか、敵対者の弱みを握ったことを確信した場合にのみ、交戦に入る。感覚を介して与えられた客観的現実こそ信頼するものであり、それ以外はすべて幻想である。

政治家(SEE):世界は人脈、名声、尊敬によって支配される。すべてのタイプの中で最も用心深く、犯したミスからあらゆることを学習する。感覚のみを信頼して、手探りで活路を模索しながら前進する。言葉、概念、アイデア-これらはすべて、人々に影響を与えるための道具に過ぎない。

愛好家(ESE):世界は衝動、熱意、魅力によって支配される。すべてのタイプの中で最も感情的であり、人々の気分に影響を与えることができる。このタイプは、好ましいと判断したことのみを実行できるため、観念主義に属すと見なすことが可能である。しかし、他者の感情状態への依存は極めて物質的なものである。

管理者(LSE):世界は労働、仕事によって支配される。このタイプの精神は、最も唯物主義的に方向づけられている。既存の知識と法律のみに基づいて議論を展開する。仕事の進行状況に完全に依存して、自身の計画を従属させる。既に確立された形式で提示されなければ、あらゆる理論やスキームを拒否する。

主観的唯物主義(ISxx)


監査官(LSI):世界は秩序と規律によって支配される。このタイプは、具体的な環境の構造に最も依存しており、採用されたシステムに完全に服従する。容認され洗練されたシステムからの逸脱は、足場を失い制御不能な混乱に陥ることに等しいため、あらゆる主なる代替案は拒否される。

守護者(ESI):世界は道徳および道徳的義務に支配される。このタイプの精神は、他のどのタイプよりも内面の道徳的態度に依存する。個人は、それに値するように他者を扱う権利がある。既存の関係および倫理観のシステムは、外的なあらゆる強制力から保護される。客観的に誘発された情熱であっても、感情を自由にコントロールできる。

調停者(SEI):世界は喜びによって支配される。このタイプは、自身が快適かつ退屈しないことにだけ取り組む。極めて順応的で、他者に容易く適応する。心地よい雰囲気が作り出され、生活の快適性を向上する何かが提供されれば、人々は積極的に報いると考える。

職人(SLI):世界は有用性によって支配される。この哲学に従い、このタイプはそれ自体が無益と認識することは何もせず、人々に提案することもない。この原則こそが、物理的な世界で実行される最小限の行動原則である。最も技術志向のタイプとして、重要な議論は人間の常識に訴えるものであると信じる。

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