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二分法:概要

ソシオニクスの二分法②

MBTI同様、ソシオニクスにも二文法が存在する。MBTIの場合、E/I、N/S、T/F、J/Pという4つの指標のみだが、ソシオニクスには15の指標がある。4つの指標はユングを参考に設定されたものだが、11の指標はReininが追加したものである。11の指標は文字として表記されないが、タイプの特徴を表すとされる。なお、この記事は概要のみとなっているが、各指標の詳細は順次、投稿していく。

レーニンは二分法の存在を数学的に証明したが、この二分法を使用することに批判的な研究者もいる。ストラチエフスカヤやグレンコは二分法を利用して、タイプ間の関係やクアドラの説明を試みている。また、ソシオニクスの二分法は独立した特性ではなく、モデルの異なる機能における様々な情報要素の位置づけの結果として認識される。

1.外向ILE、ESE、SLE、EIE、SEE、LIE、IEE、LSE  

・精神的エネルギーが外部に向かうことが多い。
・集団と交流するとエネルギーが増す。
・孤独になるとエネルギーが低下する。
・通常、エネルギーレベルは高い。
・周囲のことにより関心を向ける。
・より活動的で主導的な傾向がある。
・新しい友人を容易に作る場合が多い。
・自己表現が得意な場合が多い。
・チームで取り組むことを好む場合が多い。

1.内向LII、SEI、LSI、IEI、ESI、ILI、EII、SLI  

・精神的エネルギーが内部に向かう場合が多い。
・一人でいる時にエネルギーが増す。
・集団と交流するとエネルギーが低下する。
・通常、エネルギーレベルは低い。
・自分の考えや感情により関心を向ける。
・より受動的で消極的な傾向がある。
・多くの友人を持たないことが多い。
・集中することが得意な場合が多い。
・ひとりで取り組むことを好む場合が多い。

2.感覚SEI、ESE、LSI、SLE、SEE、ESI、LSE、SLI 

・より現実的で地に足がついている。
・全体像よりも詳細に気が付く。
・今この場の生活、周囲の物事により関心を向ける。
・生来、物理的な衝突に自信がある。
・理論よりも実践に興味がある場合が多い。

2.直観ILE、LII、EIE、IEI、ILI、LIE、EII、IEE

・より理想主義で空想に耽っている。
・詳細よりも全体像に目を向ける。
・周囲のことよりもアイデアに関心を向ける。
・生来、物理的な衝突に自信がない。
・実践よりも理論に興味がある場合が多い。

3.倫理SEI、ESE、EIE、IEI、SEE、ESI、EII、IEE

・自身の感情に基づいて決断を下す場合が多い。
・道徳的評価について話す(「善か悪か」)。
・対人間の問題を解決することに優れる。
・論理的解決策を見出すことに困難がある。
・論争よりも説得を好む傾向がある。
・「論理」操作に対して脆弱。

3.論理ILE、LII、LSI、SLE、ILI、LIE、LSE、SLI

・論理的な理由に基づいて決断を下す場合が多い。
・論理的評価について話す(「正しいか間違っているか」)。
・システム、構造、パターンに興味を示す。
・対人関係に問題がある場合が多い。
・説得よりも論争を好む傾向がある。
・「道徳」操作に対して脆弱。

4.合理ESE、LII、EIE、LSI、LIE、ESI、LSE、EII

・先の計画を立て、すぐに決断を下す傾向がある。
・より厳格で頑固な場合が多い。
・決定を変更することを好まない。
・始めたことは終わらせる傾向がある。
・大抵の場合、動作は堅苦しい。
・大抵の場合、「独裁的」なリーダーシップを取る。
・ストレス耐性は低い。

4.非合理ILE、SEI、SLE、IEI、SEE、ILI、IEE、SLI

・先延ばしにする傾向があり、よりおおらか。
・より柔軟で我慢強い。
・頻繁に決断を変更する。
・物事を完了する前に新しいことを始める傾向がある。
・大抵の場合、動作はスムーズ。
・大抵の場合、「民主的」なリーダーシップを取る。
・ストレス耐性は高い。

5.静的ILE、LII、LSI、SLE、SEE、ESI、EII、IEE

・出来事を連続的な変化というよりも個別の状態として、エピソード的な方法で知覚する。
・段階A, B, Cがどうであるかについて話す傾向がある。
・出来事を他の類似する出来事と比較することによって、一般的な方法で描写する。
・現実の性質や構造について話す傾向がある。
・通常、このタイプの話にはひとりの固定的な主要人物が登場する。

5.動的SEI、ESE、EIE、IEI、ILI、LIE、LSE、SLI

・出来事を個別の状態というよりも連続的な変化として、一連の繋がりで知覚する。
・段階Aと段階B、段階Bと段階Cがどのように繋がるかについて話す傾向がある。
・出来事を特定の具体的な方法で描写する。
・現実の動きや相互作用について話す傾向がある。
・通常、このタイプの話には複数の主要人物が登場する。

6.リソースSEI、ILE、IEI、SLE、ESI、LIE、EII、LSE

・リソースは「神聖」だが、アイデアは自由に共有され操作される。
・自分と他者の興味の間にある境界線に気づきやすい。
・紛争が生じた場合リソースを守り、反応は極度に強いことがある。
・「何かをできないと知っている場合、実行しようとせずに全てを忘れる」

6.アイデアLII、ESE、LSI、EIE、ILI、SEE、SLI、IEE

・アイデアは「神聖」だが、リソースは自由に共有され操作される。
・自分と他者のリソース間にある境界に気づきやすい。
・侵害行為からアイデアを守り、そのような侵害に対する反応は非常に鋭敏なことがある。
・「リソースが不十分だからといってアイデアを諦めないが、リソースが十分になるまで改善に向けてひたすら取り組む」

7.貴族主義LSI、EIE、IEI、SLE、EII、LSE、SLI、IEE

・所属する集団を通して自分自身、他者を知覚および定義する傾向がある。しかし、その集団は他者や社会的慣例によって定義されたものではなく、このタイプ自身によって知覚、定義される。
・初対面の人間に対するこのタイプの態度は、その人間が所属する集団に対する態度に影響される。
・交際範囲のメンバーに共通の性質を見出し、それらと同様の性質によって交際範囲を定める傾向がある。
・集団の特徴を一般化した表現を使用する傾向がある。

7.民主主義LII、ESE、ILE、SEI、ESI、LIE、ILI、SEE

・所属する集団ではなく、主に個人の性質、興味、快不快、見目の良さなどを通して自分自身、他者を知覚および定義する。
・ある集団やその集団の代表に対する関係性ではなく、自身の個人的特性に基づき他者に対する関係/態度を形成する。
・特定の範囲の人々に備わっていると想定される、固有の性質を帯びた「交際範囲」の代表として、知人を認識しない傾向がある。
・集団の特徴を一般化した表現は使用しない傾向がある。

8.戦術ILE、ESE、LSI、IEI、ILI、ESI、LSE、IEE

・手段に焦点を当て、それらを処理する。目標は変わりやすい。
・手段に合うように目標を決定、修正する。
・選択肢は多い方がいい。限られた手段は好まない。

8.戦略SEI、LII、EIE、SLE、SEE、LIE、EII、SLI

・目標に焦点を当て、それらを処理する。手段は変わりやすい。
・目標に合うように手段を決定、修正する。
・目標は固持しようとする。そこから逸れることは好まない。

9.構成主義ILE、ESE、EIE、SLE、ILI、ESI、SLI、EII

・交流において感情的要素を最小化し、「ビジネス的」要素を重視する傾向がある。
・内面の情動状態をサポートするために使用する感情的「ブレーキ」(例:本、映画、場所)を持つ。
・「感情的にとらわれた」状態になり、全体に対する気持ちにかかわらず特定の部分や区画に強い反応を見せることがある。
・行動や判断に対する要求よりも、他者の感情や経験から距離を置くことに困難を感じる。
・「人々が協調や共感ではなく、具体的な解決策を提供することを好む」

9.情緒主義SEI、LII、LSI、IEI、SEE、LIE、LSE、IEE

・「ビジネス」は二の次であり、交流の感情的背景に第一に着目する傾向がある。
・古く既知のものよりも新しく奇抜なものを好む。
・専門外だったり低品質なものとして知覚された情報には、無関心となる可能性がある。
・他者の感情や経験よりも、行動や判断に対する要求から距離を置くことに困難を感じる。
・「会話が否定的な感情に満ちている場合、それは無益なものだと思う」

10.臨機応変SEI、ILE、LSI、EIE、ESI、LIE、SLI、IEE

・主に「手近な」情報を使用して問題を解決する傾向がある。その結果、解決策はその状況に特化したものになりやすい。
・解決に向けた調査過程は回答に明示されない。
・「万事に備えることはできない」

10.慎重LII、ESE、IEI、SLE、ILI、SEE、EII、LSE

・主に経験や知識を通して得た情報を使用して問題を解決する傾向がある。その結果、解決策は一般的な性質を帯びたものになりやすい。
・解決に向けた調査過程は回答に明示される。
・「あらかじめ備えておくのが最善である」

11.主観:LII、ESE、SEI、ILE、LSI、EIE、IEI、SLE

・感情的背景に気づくのが得意で、活動から分離した感情的側面(特に「楽しさ」)を知覚する。
・「誰かを知っていく」ことが自然に起こり、両者が会う目的をよく認識する。適切な感情的距離が容易く確立、順応/調整、操作され、感情的な「技能」を通して容易に距離を縮める。人の名前(その他の形式的なもの)は関係において重要なものではなく、興味をひかれない。そのため、形式的な紹介にはあまり注意を払わない。
・自身や他者の経験から「客観的な事実」を推測せず、全ては相対的なものと見なす傾向がある。この相対性は各個人の異なる信条、意見、目的などの斟酌すべき事情として見なされる。したがって、他者の行動は一連の主観的な基準によって正誤を判断される。このタイプは他者の観点を自身のものと比較し、話題になった概念を全ての関係者が理解するように、自身の観点を説明しようとする。
・状況(「このように見て」)における別の観念を提案(強要)する傾向がある。何かが間違って行われたと考えた場合、「なぜ」そのように行われたか訊ねる。最適条件について話す場合、主観的に行いがちである(「何と比較した最適か?」)。
・「楽しみとは関与するものであり、活動へ参加することであり、余暇と休息を混同し得ない恒常的な興奮状態である」「物事がどのように行われるべきか、自分の考え―『自身の気持ち』はあるが、それは他の皆も同様である」

11.客観:ESI、LIE、ILI、SEE、EII、LSE、SLI、IEE

・感情的背景に気づくことが苦手であり、活動から感情面(特に「楽しさ」)を切り離さない。
・他者との面識は儀式(例:自己紹介)によって成立する。初期段階を省略して親密な交流を始められるように、交流の状況が外部から設定される場合(仲介者による「お見合い」など)を好む。自身が作る、および/または既存の「ルール」や「儀式」によって定義された舞台を通して他者に近づく。そのため、知り合うプロセスにおける段階を強く認識する。他者に関する肩書、氏名、その他の情報を重要なものと見なし、このため形式的な紹介は重要である。
・「客観的な事実」があることを確信しており、その事実は常に相対的なものではない。それゆえ、行動/視点には二つの分類が存在すると信じる。主観的なもの(個人的な好みや動機に関連する)と客観的なもの(何かを行う場合に唯一「正しい」または「最善の」方法)である。それが正しいか間違っているかは、このタイプが「客観的に正しい」と見なすものと比較することによって判断される。同意されない場合、他者が「正しさ」の概念と定義を理解していることを最初に確認しようとする。
・何かを行う場合に「最適」または「正しい」と見なしたものを提案(強制)する傾向がある(「このように成されるべきだ」)。何かが正しく行われなかったと考える場合、「誰」がそのように行ったのか訊ねる。最適条件について話す場合、非常に客観的(「絶対的な」最適条件)に行う傾向がある。
・「活動/仕事と楽しみの間に区別をつけるのは難しい。仕事とは娯楽性がなく、必要性のある楽しみであり、区別は不可能である」「もし物事が間違って行われたら?『とどめを刺す』のに適した方法がひとつだけある」

12.思慮:LII、ESE、ILE、SEI、EII、LSE、SLI、IEE

・自然な状態ではリラックスしている。
・事前にリラックスでき、必要な期間だけ行動する場合にベストな働きをする。
・「行動」から「休息」には移行しやすいが、「休息」から「行動」には移行しにくい。そのため、動き始めるには外部の刺激を必要とすることがある。
・行動する間に問題を細かく段階に分けて、各段階の間に休息する傾向がある。
・行動を起こすことを考え始めるとすぐに、自身の動きを認識する。しかし、このタイプは実行に要する最大期間、つまり行動にかかる時間を見積もる能力に乏しいことが多い。
・準備段階を最も重視し、集中する。「行動」段階は二次的なものとして見なされ、あまり注意を払わない。
・見込まれる結果や報酬(例:賃金がいくら払われるか)よりも労働条件を重要なものと見なす。
・内向型の場合、この傾向が強まる。
・休息している時よりも動いている時に意識的。
・「熟慮は大切だ。その間、決定を下す必要はない。その後で何もする必要がなければ、さらに良い」

12.決断:LSI、EIE、IEI、SLE、ESI、LIE、ILI、SEE

・自然な状態でも緊張感がある。
・やらねばならないことを準備するために行動できる場合にベストな働きをする。
・「休息」から「行動」には移行しやすいが、「行動」から「休息」には移行しにくい。そのため、休息には外部の刺激(映画など)を必要とすることがある。
・仕事全体を一度に処理し、作業の間は内部の「準備態勢」を維持する傾向がある。
・最大限に自身の動きを意識している(例:いつ行動すべきか)。しかし、その動きが最初に表される時、つまり行動を最初に検討し始める時は意識に上っていない場合が多い。
・行動を起こすことを最も重視し、集中する。準備段階は二次的なものとして見なされ、あまり注意を払わない。
・労働条件(例:快適さ、自由、利便性)よりも見込まれる結果や報酬を考慮する。
・外向型の場合、この傾向が強まる。
・行動している時よりも休息している時に意識的。
・「検討プロセスでもたもたすることはない。決断によって、常にそのプロセスは終了する」

13.肯定主義:ILE、ESE、LSI、IEI、SEE、LIE、EII、SLI

・既存の物事、プロセス、システムを最適化、洗練、改善する。
・「このグラスには中身が半分も入っている」「このプロジェクト資金を既に438,000ドル集めた」
・通常は叱責よりも称賛が多い。
・批判を行う場合でも、肯定的な意見を積極的に用いる。
・社会的、知的なものにはまず信用をおき、興味を示す。後に批判的、無関心になる。
・物事が何であるか(非合理)何であるべきか(合理)説明する。

13.否定主義:SEI、LII、EIE、SLE、ILI、ESI、LSE、IEE

・物事、プロセス、システムにおける問題を検出、解決する。
・「このグラスには中身が半分しか入っていない」「プロジェクト資金があと62,000ドル必要だ」
・通常は称賛よりも叱責が多い。
・否定的な「~ではない」という意見を多く用いる。
・社会的、知的なものを疑ってかかる。後に信用や興味を示す。
・物事が何ではないのか(非合理)何であるべきではないのか(合理)説明する。

14.プロセス:ILE、SEI、EIE、LSI、SEE、ILI、LSE、EII

・最初から最後まで、物事を連続して行う。
・プロセスに没頭し、シングルタスクの傾向がある。
・最初と最後を除いたプロセスの過程に集中する。
・最初から最後まで通して本やコンピューターの文章を読もうとする。
・「正しい過程に従ったのだから、当然、答えは正しいものだ」

14.結果:ESE、LII、SLE、IEI、LIE、ESI、IEE、SLI

・最初から最後まで同じ事をしているように、物事をランダムに行う。
・プロセスを中断し、マルチタスクの傾向がある。
・プロセスの最初と最後に集中する。
・本やコンピューターの文章を無作為(ランダムな段落や章)に読もうとする。
・「正しい答えを得たのだから、当然、正しい過程に従ったということだ」

15.質問:LII、ILE、EIE、IEI、ESI、SEE、SLE、SLI

・独白よりも対話。
・このタイプが口にすることのほとんどは、意見でさえ質問しているようである。
・話の途中で情報を確認すると、他人と話しているかのように一人で相槌を打つ。
・コミュニケーションの動機は外部にある。
・聴衆全体に上手く話をすることができる。
・誰かが興味を持ち、注意を払ってくれることを期待できる場合に話し始める。
・話を途中で中断して「常に質問を許可されている」ことを心地よく感じ、必要なら後で話していたことに戻る。
・非常に頻繁に不躾な質問をし、自身で答える。
・要求された情報を実際に得る切迫性はなく、単に時間を埋めるために質問する事が多い。

15.宣言:ESE、SEI、LSI、SLE、LIE、ILI、EII、IEE

・対話よりも独白。
・このタイプが口にすることのほとんどは、質問でさえ意見しているようである。
・他者の話を注意深く黙って聞いてから、また長く話し始める。
・コミュニケーションの動機は内部にある。
・同時にひとりの相手に対して話すことを好む。
・話し始める前に、注意を引きつけていることを先に確かめる。
・話を終わらせることについて、他者に対して非常に辛抱強い。
・話を終結させて自身の観点が伝達されることを好み、他者に話を譲る前に自分の話を終わらせたがる。
・質問は形式的なものか、特定の情報に対する切迫性によってのみ完全に動機づけられたものであることが多い。

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MBTI:タイプの関係

日本では何故かソシオニクスしかタイプの関係を扱っていないことになっている(?)が、MBTIでもタイプの関係については言及されている。「タイプの関係(相性)」は誰でも思いつくテーマなので当然だが、MBTIの関係論については、あまり有名ではない。理論的にはそこまで緻密なものではないが、参考までに紹介する(メインで取り上げるカーシーについては この記事 を参照)。 初期のカーシーは、真逆のタイプ同士の相性が最も優れていると考えていた。人は自分にないものに惹かれる。つまり、INTPとESFJが互いに惹きつけ合う。ただ、その後の観察から、カーシーは考えを変えたらしい。多くの結婚生活を観察した結果、SJとSP、NFとNTの組み合わせが最も多いことがわかった。どちらの組み合わせも、コミュニケーションの好みは一致している一方、目標を達成する手段は異なる。例えば、SJとSPは共に具体的な対象について話すことを好むが、SJは協調して行動するのに対し、SPは実利を重視して行動する。逆の組み合わせ(SJとNF、SPとNT)では、この関係性は成立しない。このため、SとNの違いが重要とされる。 実はタイプの関係については、マイヤーズも言及している。375組の夫婦を調査したところ、夫婦の77%は二つ以上の指標が一致していた。特にSN指標が一致していることが、タイプを問わず重要だという。マイヤーズは異なるタイプ間の違いを理解するためにMBTIを作ったが、実際は自分に近いタイプを好むらしい。ユングによれば、人のシャドウによる行動は、その人物の行動と見なすべきではない。シャドウを額面通りに受け取らないことが、結婚生活を上手く送る秘訣になる。 話をカーシーに戻すと、彼の理論ではSN以外の指標が逆のカップルに、最も互換性がある。つまり、 ESTP x ISFJ 、 ESFP x I STJ 、 ESFJ x I STP 、 ESTJ x ISFP 、 ENTP x INFJ 、 ENFP x INTJ 、 ENFJ x INTP 、 ENTJ x INFP がベストカップルになる。以下に各々の気質ごとの関係性をまとめた。 <SP:職人> SPは異性と真剣な関係になりにくい。衝動的に人々に惹きつけられ、新たな関係を結ぶ。他の気質よりも外見に気を遣い、性的な経験にも積極的である。抽象的な刺激には心を動かさない

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前回 はJ/Pの違いについて触れたが、MBTIとソシオニクスは4指標の定義、心理機能(情報要素)の定義においても異なっている。以下はWorld Socionics Societyが挙げた両者の違いとなる。 ①各指標が意味するもの ・MBTIのI / Eは「人と関わってエネルギーを得るか」だが、ソシオニクスではFに依存する。外向T型は交流をあまり必要とせず、内向F型は人と関わることを好む。 ・MBTIのN / SはN型のみが創造力・発想力に富むというバイアスがかかっており、S型は過小評価されている。ソシオニクスでは両者が得意とする領域で公平に取り扱われる。 ・MBTIのT / Fは「厳しさ・優しさ」を表すが、ソシオニクスでは競争心・攻撃性・厳しさはSeに依存する。よってソシオニクスにおけるSe優勢タイプの多くが、MBTIではT型になる。ソシオニクスのFは親切心・寛大さではなく、対人能力を表す。よってSe-Fタイプは社会的に優位に立つためFを利用する。 ・MBTIのJ / Pは「組織力・計画性の有無」を表すが、ソシオニクスではTに依存する。よって多くのF型がMBTIでPと判定される。ソシオニクスの合理・非合理は物事が「どうであるべきか(T / F)」「どうであるか(N / S)」というアプローチの取り方に焦点を当てる。EIE(ENFj)やEII(INFj)は計画性に欠ける可能性があるが、「自分の感情は正しい」「他人はこのように感じるべきだ」という明確な見解を持つタイプとなる。 ※なお、わかりやすくするために特徴を挙げたが、詳細は各指標に関する記事で確認して欲しい。 ②MBTIの認知機能とソシオニクスのIE ・MBTIのSe(現在を生きる、快楽を求める、美的感覚)=ソシオニクスのSi ・MBTIのSi(記憶、歴史、比較、時間感覚)=ソシオニクスのNi ・MBTIのSi(ルールを守る)=ソシオニクスのTi ・MBTIのTi(物事の仕組みを解明する)=ソシオニクスのTe ・MBTIのTe(権威、指揮、上下関係)=ソシオニクスのSe ・MBTIのFi(感情の状態)=ソシオニクスのFe ・MBTIのFe(人間関係、社会的に適切な態度)=ソシオニクスのFi ※ソシオニクスについては「 情報要素 」を参照。 ③グループ分け ・MBTI

トライタイプ

<トライタイプとは> 1995年の調査で、人はひとつだけでなく、好ましい順番で使用される三つのエニアグラムタイプを持つことが示された。これらの各タイプは三つのセンター、ヘッド(567)、ハート(234)、ガッツ(891)に存在する。 三つのタイプのうち、支配的なタイプは自我の優先する防衛戦略を表す。しかし、支配的なタイプの戦略が失敗すると、自我は残り二つのタイプの戦略を順番に利用する。支配的なタイプは常に統制者であるため、最終的に核となる戦略に立ち戻る。 <調査方法> 初期の調査から明らかになったことは、質問票やコーチングの際にクライアントによって使用された語彙パターンが、一貫して三つのタイプを中心に自我の戦略を組織したことである。言い換えると、クライアントは個人的な心理経験をさらけ出す際に、三タイプの言語や語彙を利用した。 クライアントは支配的なタイプだけでなく、他の二タイプの核となる恐怖とも共感した。さらに重要なことに、多くの人々は支配的なタイプとラインやウイングで繋がっていないタイプの語を使用した。殆どの理論家は全ての言動が支配的なタイプ、ウイング、ラインに帰するものと考えていたが、クライアントは各センターにおけるタイプの語彙を何度も使用したため、これはトライタイプの発見において重要な特徴である。 語彙分類は質問票の単語選択を統計的に実証し、各タイプが母語、年齢、性別、教育、国籍や人種を問わず独自の語彙を使用するという仮説を確認するために使用される。さらに、支配的な本能型の言語と同様に、トライタイプを構成する3タイプの語彙を使用することも確認する。このため、タイピングは5つの段階を経る。1)質問票。2)エニアカードを用いたテスト。3)本能型のテスト。4)語彙分類。5)コーチング。 出典: https://www.katherinefauvre.com/tritype/ <ウイングとライン> 調査は人がウイングとライン(エニアグラム図で点同士を結ぶ線)を利用することを示したが、これらのウイングとラインは、個別に使用される戦略に留まらない。何故、メインタイプと関連のない根源的な恐怖、語彙、動機や望みが報告されたのか?トライタイプにウイングタイプや統合・退行ラインに沿ったタイプが含まれると、そのタイプが活用されることが極めて多い。 例えば、トライタイプに3と6を持つ